物性値から逆算し、年間720万円のコスト削減につながった事例
ある自動車関連部材メーカー様より、
「現在使用しているEPDM材料のコストを見直したい」
「ただし、納入先メーカー規格は絶対に外せない」
というご相談をいただきました。
対象製品は量産品であり、材料使用量も大きいため、原材料価格の上昇が収益へ大きく影響している状況でした。
一方で、自動車関連部材のため、
- 規格未達
- 品質ばらつき
- 加工トラブル
は許されず、単純な材料置き換えは難しい案件でした。
ご相談時の状況
従来材は長年使用されていた実績配合でした。
ただし内容を伺っていくと、
- 当初設計時より原材料価格が大きく変動している
- 現在の使用条件に対して、若干オーバースペックになっている
- 「昔からこの配合」という理由で継続使用されている部分がある
といった状況が見えてきました。
また、お客様現場では、
- 加工時の扱いづらさ
- 食い切り性
- 仕上げ作業性
についても改善余地がある状態でした。
小暮ゴムからのご提案
小暮ゴムでは、まず納入先メーカーの規格値を整理。
その上で、
- 実際に必要な物性
- 加工条件
を改めて確認し、「本当に必要な性能を満たした上で全体最適化できないか」という視点で配合を再設計。国内外を含めた原材料選定を行い、コストと性能のバランスを最適化しました。
実際の評価結果
試作・評価の結果、規格値に対して十分な余裕を持った物性を確保。
お客様側でも評価が進められ、最終的には納入先メーカー規格に基づく材料提案として採用されました。
評価例(ダミーデータ)
| 項目 | 小暮ゴム配合 | 従来材 | 規格値 |
|---|---|---|---|
| 引張強さ | 11.8 MPa | 13.9 MPa | 9.8 MPa以上 |
| 伸び | 610% | 480% | 400%以上 |
| 量産単価 | ¥ 377 /kg | ¥ 580 /kg |
※上記数値は掲載用のダミーデータです。
結果として、規格を十分満たしながら、従来材比で約35%のコスト削減につながりました。
年間使用量ベースでは、なんと約720万円の材料費削減効果となりました。
副次効果として、加工性も向上◎
今回の案件では、単純なコストダウンだけでなく、
- 食い切り性
- 加工時の扱いやすさ
- 仕上げ性
についても改善が見られました。
従来は、物性を優先するあまり現場では「やや硬い」「加工しづらい」という感覚がありましたが、必要性能を整理したことで、現場側の負担軽減にもつながりました。
結果として、
- 作業性向上
- 時間あたり処理数向上
- 生産安定化
にも寄与した事例となりました。
「過剰品質」を整理する重要性
ゴム配合では、
「物性が高いほど安心」
「強いほど良い」
と考えがちですが、実際には、
- 加工性
- コスト
- 生産性
とのバランスも重要です。
今回の案件では、「必要性能を満たした上で、実使用環境に合わせて最適化する」ことで、材料費だけでなく現場生産性まで改善する結果となりました。
長年使用されている配合の中には、
- 理由が曖昧なまま継続されている
- 原材料価格だけが上昇している
- 過剰品質になっている
そんなケースも少なくありません。
一方で、安易に材料変更してしまうと、品質問題や加工トラブル、規格未達につながるリスクもあります。
小暮ゴムでは、
- 納入先規格
- 使用環境
- 加工条件
- 生産性
まで整理した上で、配合見直しをご提案しています。
「現在の材料コストを見直したい」
「規格を維持しながら最適化したい」
「加工性も含めて改善したい」
といった場合も、お気軽にご相談ください。

