外観部品のブルーミング防止|屋外暴露試験で発生した白化・析出を、配合見直しで改善した事例

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屋外暴露試験で「採用見送り」となった配合を改善した事例

あるゴム成型メーカー様より、

成型メーカー様

他社で試作している材料が屋外暴露試験でブルームしてしまう。
なんとか改善できないか

というご相談をいただきました。

対象となるのは、カメラや双眼鏡などに使われる外観ゴム部品です。

直接機能に影響する部品ではない場合でも、ユーザーの目に触れる部分である以上、見た目の劣化はそのまま製品全体の品質印象につながります。

特に今回の部品は、数万円〜数十万円クラスの製品に実装される可能性があるものでした。そのため、材料そのものの物性値だけでなく、長期的に外観が安定していることが重要な評価ポイントになっていました。

物性は問題ない。それでも採用できない

当初検討されていた他社検討材は、

  • 硬度
  • 引張強さ
  • 加工性

など、一般的な物性評価では大きな問題は見られませんでした。

しかし、屋外暴露試験を行うと状況が変わりました。

30日間の屋外暴露後、表面に青白い変色や析出が発生。いわゆるブルームと呼ばれる現象です。材料内部の成分が時間経過や温度変化、湿度、紫外線などの影響で表面へ移行し、白化したように見える状態になっていました。

性能上すぐに破損するわけではありません。しかし外観部品としては、これは大きな問題です。

ユーザーから見れば、表面が白くなったゴムは「劣化している」「古く見える」「品質が悪い」と判断される可能性があります。特にカメラや双眼鏡のように、所有感や外観品質も製品価値の一部になる商材では、わずかな白化でも採用可否に影響します

そのため、この他社検討材は屋外暴露後の外観評価でNGとなり、採用見送りとなりました。

小暮ゴムに求められたこと

今回求められたのは、単に「白くブルームしない材料」を作るだけではありません。

必要な物性を満たしながら、成型性にも問題がなく、さらに屋外暴露後も外観変化が出にくい配合にすることでした。

ゴム配合では、初期物性だけを見ていると問題が見えないことがあります。納入時点では黒くきれいに見えていても、数週間後、数ヶ月後に表面へ成分が出てくる場合があります。

特にブルームは、配合中の成分バランスによって発生しやすさが変わります。可塑剤、ワックス、老化防止剤、加硫系、ポリマーとの相溶性など、複数の要素が絡みます。どれか一つを変えれば必ず止まる、という単純なものではありません。

そこで小暮ゴムでは、まず「なぜ表面へ出てきているのか」を整理し、配合全体を見直す形で検討を進めました。

実際に行った検討内容

今回の配合では、まず外観安定性を最優先に設計を行いました。

ただし、ブルームを防ぐために単純に成分を減らすだけでは、加工性や必要物性に影響が出ます。

実際、ゴム配合では、

  • 可塑剤
  • 老化防止剤
  • ワックス
  • ポリマー種別
  • 促進剤の添加量
  • 架橋密度

など様々な要素が時間経過後の表面状態に影響します。

特に、相溶性の低い成分や、表面へ移行しやすい成分が多い場合、初期状態では問題なく見えても、屋外環境や温湿度変化によって白化・析出が発生するケースがあります。

そのため今回は、単純な材料置き換えではなく、

どの成分が表面へ移行しやすいか
どの可塑剤の組み合わせ/添加量が外部析出しにくいか
加工性と外観安定性を両立するためのカーボン・フィラー配分

を確認しながら、配合全体を見直しました。

屋外暴露試験の結果

試作した小暮ゴム配合品について、他社検討材と同条件で屋外暴露試験を実施しました。

30日間の屋外暴露後、小暮ゴム配合品では外観の変色や析出は確認されず、評価は合格となりました

実際の比較では、他社検討材は表面が青白く変化し、何かが浮き出てきたような状態になっていました。対して小暮ゴム配合品は、暴露後も黒色外観を維持し、表面状態も安定していました。

この結果により、外観部品として採用可能な材料として評価されました。

「物性だけでは判断できない」案件だった

今回の事例で重要なのは、「物性値だけでは判断できない問題だった」という点です。

ゴム材料では、硬度、引張強さ、伸び、耐熱性などの数値評価が重視されます。もちろん、それらは必要です。

しかし、外観部品ではそれだけでは不十分です。

ユーザーが直接見る部品では、表面の白化やくすみがそのまま製品価値に影響します。たとえ機能上は問題がなくても、見た目が劣化していれば、ユーザーは品質不良と感じます。

特に高価格帯の製品に組み込まれる部品では、外観品質への要求は厳しくなります。ゴム部品ひとつの見た目が悪いだけで、製品全体の印象を落とす可能性があります。

だからこそ、外観部品の材料設計では、初期物性だけでなく、経時変化まで見た配合設計が重要になります。

小暮ゴムよりコメント

ブルームや白化は、ゴム配合でよくある問題の一つです。

ただし、外観部品では「よくあること」で済ませられません。表面に析出が出る、白く見える、くすんで見える。そうした変化は、採用見送りや市場評価の低下につながる可能性があります。

小暮ゴムでは、単に物性値を満たすだけでなく、実際に使われた後の外観安定性まで考慮した配合設計を行っています。

「他社材で外観問題が出ている」
「ブルームを抑えたい」
「長期暴露で見た目が変わる」

といった場合も、お気軽にご相談ください。

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